大日如来坐像 (だいにちにょらいざぞう)
大日如来は、密教で世界の中心にいると考えられている仏である。その世界の表現方法として、全体の仕組みを表す「金剛界」と、構成する仏たちの役割を示す「胎蔵界」とがあり、それぞれ仏の形が少しずつ異なる。この像は左人差し指を右手で握る智拳印を結んでいて、金剛界の大日如来であることがわかる。半眼で穏やかな表情、丸みを帯び均整のとれた体躯、このような仏像の姿を「定朝様式」といい、平安時代に京の都を中心に流行した。本像は大阪府河内長野市の河合寺にあり、周辺地域にも都の流行が伝わっていたことがわかる。