公益財団法人 佐野美術館

収蔵品詳細

蓮池観音図 (れんちかんのんず)

画像情報

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名称・銘:
蓮池観音図 (れんちかんのんず)
分類番号:
絵画1
形質:
紙本墨画
員数:
1幅
法量:
縦 133.0 cm
横 56.9 cm
作者:
白隠慧鶴
作者かな:
はくいんえかく
生没年:
1685-1768
国:
日本
時代:
江戸時代(明和4年・1769)

解説

 白隠慧鶴(1685~1768)は沼津原の生まれ。33歳で沼津松蔭寺の住職となり、晩年は伊豆三島に龍澤寺を開いた。高い徳を具えながら墨染めの衣で生涯を貫いた。自らの書画で仏道を易しく説き、身分を超えて崇敬された。
 白隠の母親は観音を深く信仰した。それは白隠にも大きな影響を与え、多くの観音像を描いて人々を教え導いた。これは示寂前年83歳の作。蓮葉の上に片膝を立てて座す観音。その姿はおおらかで慈愛に満ちる。頭上に高い宝冠、胸に瓔珞、両手に瑠璃香(鉢)を持ち、柳枝を添え、天衣をまとう。背景は墨一色だが、かえって豊饒な色彩を思わせる。それは泥池から清浄な花を咲かせる蓮にたとえて、観音が混沌とした現世に苦悩する人々を救ってくれることを表している。賛の文字は蝋で書いた上に薄墨を塗り、乾いた蝋をはがしたもの。